・業界をリードするNXPのプロセッシング製品ラインナップを最先端のNPUとAIソフトウェアによって強化する、産業および車載向けエッジ市場におけるインテリジェント・システム・ソリューション
・先進の生成AIによって高性能ニューラル・ネットワーク・プロセッシングを実現し、革新的なエッジ・ユースケースを創出
・プロセッシング、コネクティビティ、セキュリティ、先進アナログ・ソリューションで構成されるNXPの幅広いポートフォリオとKinaraのAIハードウェア/ソフトウェアを組み合わせることにより、AI搭載のエッジ・システムに適したスケーラブルなプラットフォームを確立
2025年2月13日
NXP Semiconductorsは性能とエネルギー効率に優れたプログラマブルなディスクリート・ニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)の業界リーダーであるKinara, Inc.を買収することで最終合意に達したと発表しました。NPUはマルチモーダル生成AIモデルを含む幅広いエッジAIアプリケーションをイネーブルするデバイスです。買収は3億700万ドルの全額現金で実行されます。各国の規制当局による承認などの慣例的な取引完了条件の影響を受けますが、2025年上半期中に完了見込みです。
未来のインテリジェント・システムではセキュリティ、コスト効率、エネルギー効率に優れたAI処理がエッジにおいて必要となります。そのため、エッジAIプロセッシング市場は現在急速に成長しています。エッジにおける先進的なAIを実装すると、クラウドに依存せずエッジで重要な意思決定が可能になり、応答速度の向上、データ・プライバシーの強化、コストの削減につながります。
Kinaraの革新的なNPUと包括的なソフトウェア・イネーブルメントは従来型AIを含む各種ニューラル・ネットワークや生成AIにおいて、エネルギー効率に優れたAI性能を発揮し、産業/車載市場で急速に拡大するAIニーズに対応します。今回の買収でNXPのプロセッサ、コネクティビティ、セキュリティ、先進アナログ・ソリューションのポートフォリオにディスクリートNPUと堅牢なAIソフトウェアが加わることにより、NXPはTinyMLから生成AIまで、包括的でスケーラブルなAIプラットフォームをさらに強力に推進できるようになります。
KinaraとNXPは以前からパートナーとして協力してきたため、KinaraのNPUと業界をリードするNXPの産業用/IoT用プロセッサ製品ラインナップの融合は容易です。今後も両社は協力してソリューションを緊密に統合し、産業および車載用AIにおける広範な推論ニーズに対応するスケーラブルなAIプラットフォームを提供していきます。
NXPの上級副社長 兼 セキュア・コネクテッド・エッジ担当ゼネラル・マネージャーのRafael Sotomayorは次のようにコメントしています。「産業用市場は変革の時期を迎えています。生成AIのような新しいイノベーションの登場で、効率性、持続可能性、安全性、予測可能性が大幅に向上し、多くの場合、新たなユースケースや機能が創出されます。KinaraのAI機能がNXPの広範なインテリジェント・エッジ・ポートフォリオに加わることにより、新しいクラスのAI搭載システムに適したスケーラブルなプラットフォームが誕生します。革新的なAIシステムを構築するお客様が複雑さを緩和し、市場投入期間を短縮できるよう、NXPとKinaraがお手伝いいたします。」
KinaraのディスクリートNPUでエッジAIイノベーションを推進
Ara-1やAra-2など、KinaraのディスクリートNPUは性能と電力効率で業界をリードしています。このため、これらのソリューションは視覚、音声、ジェスチャー、その他さまざまな生成AIを搭載したマルチモーダル実装における新たなAIアプリケーションに最適です。Ara-1とAra-2はどちらも革新的なアーキテクチャを採用しており、推論グラフのマッピングが可能なため、Kinara独自のプログラマブル・ニューラル・プロセッシング・ユニットにおける効率的な実行とエッジAI性能の最大化を実現します。このようなプログラマビリティを備えているため、AIアルゴリズムがCNNから生成AI、その先のAgentic AIをはじめとする新しいアプローチに進化しても、それに対応できます。
第1世代のディスクリートNPU「Ara-1」はエッジでの高度なAI推論が可能です。第2世代のNPU「Ara-2」は最大40TOPS(Tera Operations Per Second)の性能を持っており、システム・レベルで高性能の生成AIを実現するために最適化されています。Ara-1とAra-2 NPUは組み込みシステムへの統合が容易であり、既存のインフィールド・システムのアップグレードなど、AI機能を強化することができます。
さらに、Kinaraでは包括的なソフトウェア開発キットも提供しており、お客様はAIモデルのパフォーマンスを最適化し、デプロイメントを効率化することができます。KinaraのAIソフトウェア製品ラインナップには広範なモデル・ライブラリとモデル最適化ツールが含まれています。NXPのeIQ AI/MLソフトウェア開発環境に統合されることで、お客様はエンド・ツー・エンドのAIシステムを迅速かつ容易に構築できるようになります。
Embedded World 2025
NXPとKinaraは両社製品を組み合わせたイノベーションをニュルンベルクで開催されるEmbedded World 2025に出展する予定です。詳細についてはNXP.com/EmbeddedWorld をご覧いただくか、NXPのブース「#4A-222」にお越しください。
NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductorsは車載、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラ市場における革新的ソリューションを提供する、信頼できるパートナーです。NXPでは「Brighter Together」というアプローチのもと、最先端のテクノロジとパイオニア精神を持つ人材の両方を活かし、より良く、安全・安心なコネクテッド・ワールドを実現するシステム・ソリューションを開発しています。現在、NXPは30か国以上で事業を展開しており、2024年の売上高は126億1,000万米ドルとなりました。
詳細はwww.nxp.com をご覧ください。
NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。
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