リリース名:業界で最も低い電圧0.9Vで動作可能!携帯機器用「低電圧駆動MOSFETシリーズ」の開発
2010/09/06三洋
网络/通信
三洋半導体株式会社は、低電圧で駆動する用途に最適な「低電圧駆動MOSFET」シリーズ全14機種を開発いたしました。2010年9月よりサンプル出荷を開始し、10月より順次量産を開始いたします。
携帯機器に代表されるバッテリー駆動機器に用いられるMOSFETには、小型、低オン抵抗であると共に、低電圧で駆動できる性能が求められます。当社はこの度、独自技術により、Pch・Nch両極性で0.9V駆動、1.2V駆動が可能な「低電圧駆動MOSFETシリーズ」を開発いたしました。
0.9V駆動品は低電圧駆動に特化した製品で、VGS定格は5Vですが、Pch・Nchともに0.9V駆動が可能です(Pch0.9V駆動は業界初)。 1.2V駆動品は、VGS定格を従来機種と同等レベルの9Vに据え置きながら低電圧駆動を実現し、幅広い駆動領域(1.2V~9V)での動作を可能としました。
また、本MOSFETシリーズはすべて、環境に配慮した鉛フリーおよびハロゲンフリー対応の製品です。当社は、今後も快適空間をつくり出す機器開発を支え、環境保全に貢献する半導体製品を提案してまいります。
特長
1. 業界で最も低いPch 0.9V駆動MOSFETで、携帯機器の低消費電力化に貢献
2. “0.9Vから9Vまで”リチウムイオン電池や乾電池など、多様化する携帯機器電源に対応する全14機種のラインアップ
3. マイコンからの直接駆動が可能なため、昇圧回路が不要となり、部品点数の削減を実現
I. 概要
携帯電話やデジタルスチルカメラなどの携帯機器では、消費電力を減らして駆動時間の長時間化を図るために内部回路の損失低減が進められており、低オン抵抗のMOSFETが求められています。当社はバッテリースイッチ及びDC/DCコンバータ用途のMOSFETの分野で、低オン抵抗の携帯機器向けデバイスを提供してきました。近年、携帯機器はセットの高性能化・多機能化が進み、更なる消費電力低減が必要となっており、これまでの損失低減に加え、低電圧化による低消費電力化が重要となっています。しかし従来のMOSFET製品群では、低いゲート駆動電圧では動作しなかったり、動作してもオン抵抗値が非常に大きな値であったり、ゲート部に抵抗が入っていたりと、多くの課題がありました。また、乾電池やニッケル水素充電池の起電力は1.2Vであるため、一般的なMOSFETの駆動電圧である1.8Vや1.5Vでは直接駆動することが出来ず、昇圧回路によって必要な電圧を作り出していました。この度、乾電池やニッケル水素充電池でも直接駆動が可能な、低電圧駆動かつ、低オン抵抗で損失の少ない「低電圧駆動MOSFETシリーズ」を開発いたしました。
MOSFETを低い電圧で駆動するには、MOSFETのゲートのしきい値電圧※2を低減する必要があります。しかし、このしきい値電圧の低減はドレイン-ソース間リーク電流の増大につながります。この結果、セットにおいては、電池から電流が流れ続け、動作時間の低下や誤動作を引き起こしてしまいます。当社では第4世代トレンチプロセス(T4)をベースに、低電圧駆動化によるドレイン-ソース間リーク電流を抑制する低電圧駆動プロセスを開発することで、0.9V、1.2Vでの駆動を実現しました。
なお、MOSFETには、構造上PchタイプとNchタイプの2種類の極性があります。Pchタイプは、電源電圧とグランド間の電位差で動作させることが可能であり、少ない部品で回路を構成することが出来ます。携帯機器の電源スイッチ用途として多く使用されています。Nchタイプは、ゲート電圧を電源電圧より上げる必要があり、駆動回路が若干複雑となります。但し、一般的にPchに比べNchのほうがオン抵抗特性に優れている為、用途に合わせて使い分けされています。
※2 ゲートしきい値電圧:ゲートに電圧を加えたとき、ドレイン-ソース間が通電しはじめる電圧を「ゲートしきい値電圧」といいます。一般的にこの電圧が低い素子は低電圧で駆動できます。
II. 特長
1. 業界で最も低いPch 0.9V駆動MOSFETで、携帯機器の低消費電力化に貢献
課題であるドレイン-ソース間リーク電流の増大を抑制するため、ゲート酸化膜新構造とゲート保護新ダイオードを採用した低電圧駆動プロセスを開発しました。この新プロセスにより、業界で最も低いPch 0.9V駆動品を達成しています。PchはVGS=0.9Vでオン抵抗250mΩ(typ.)で、NchもVGS=0.9Vでオン抵抗 165mΩ(typ.)です。0.9Vという低い駆動電圧ながら極めて低いオン抵抗を実現いたしました。いずれの製品も、携帯機器で要求される最大電流の 1A~2Aの使用電流領域をカバー出来るパワー用途となっています。
2.“0.9Vから9Vまで”リチウムイオン電池や乾電池など、多様化する携帯機器電源に対応する全14機種のラインアップ
0.9V駆動品のVGSの最大印加電圧※3は5Vで、携帯機器で採用されているリチウムイオン電池1セル(max4.2V)のスイッチや、乾電池、ニッケル水素充電池での使用が可能です。1.2V駆動品はVGSの印加可能な電圧を9Vとし、2直リチウムイオン電池でも駆動可能な製品となっています。低電圧駆動MOSFETは電源の電圧が変動しても、特性の変動が少ないという特長があるので、電池の長寿命化と機器の安定動作に貢献いたします。
0.9V駆動品が2機種、1.2V駆動品が12機種で、FlipChipタイプの製品をはじめ、小型ハイパワーの4外形で製品開発を行いました。 1.2V駆動品のラインアップとしては、ロードスイッチ用途に最適なシングルタイプの製品、充放電スイッチに最適なデュアルタイプの製品を展開し、用途に最適な製品を選択して頂くことが可能です。また各製品は同製品ポジションとして業界最高水準のオン抵抗を実現しています。
※3 ゲート-ソース間に印加できる最大の電圧値
3.マイコンからの直接駆動が可能なため、昇圧回路が不要となり、部品点数の削減を実現
今回0.9V駆動を実現した事により、ロードスイッチ用途としてゲートドライブに外付けMOSFETを使用するような場合でも、単体のMOSFETで駆動するため、部品点数の削減が可能です。また、従来はバイポーラトランジスタでしか駆動出来なかった領域への使用も可能であり、MOSFET化によってドライブ時の損失も低減することが出来ます。
企业HP:
http://www.sanyosemi.com/jp/
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